登山で使用するバックパックの選び方

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登山では、様々な状況で安全に登山を行なうためのあらゆる装備を持って歩く必要があります。そのために重要なのがバックパックの選び方です。登山では、街中や旅行の際と背負っている時間が異なり、少しの不具合が体力を奪ったり、登山を楽しめない原因となってしまいます。登山に合った、そして自分の体に合ったバックパックを選び、登山を楽しみましょう。

1.登山の日程とスタイルで最適なものを選ぼう

まず大切なのは、目的に沿った物を選ぶことです。選ぶポイントの一つは日程とスタイルです。目安となるのは、宿泊する登山かどうかという点です。それによって、容量が変わってきます。また、スタイルによってポケットの有無や素材にも違いが出てきます。例えば、初心者向けの山や、比較的緩やかな登山の場合には、取り出しやすいポケットが便利になりますが、厳しい登山の場合、物を落としたり、引っかかったりする危険があるのでシンプルな物の方が適していると言えます。また、それほど重量の荷物を必要とする登山でなければ、軽量性の高い素材の物を使うことができますが、重量のある装備が必要なようなハードな登山の場合や、岩場での登山の場合には、耐久性があるしっかりした素材の物が適していると言えます。

2.日帰り登山は快適さ優先の30L以下

バックパックには10L程の小さなものから、90L以上の物まで様々な容量の物があります。登山の日程に適したバックパックを選ぶ際の一つの目安となるのは30Lだと言えます。日帰りの場合には、30L程度のバックパックで十分ですが、宿泊する登山の場合には、宿泊に必要な装備も入れられるだけの容量が必要となります。また、宿泊の形態によっても、持参しなければならない装備は違いが出てきます。山小屋などでの宿泊であれば、それほど装備を持っていかなくても良いので、30L程度でも何とかなるかもしれませんが、テント泊であれば、テントや寝袋、食糧など、全ての物を入れられるものである必要があります。ですから、日帰り登山の倍程度の、50-60Lくらいの物を準備する必要があるでしょう。

3.フィッティングは違和感がなくなるまで

登山では、それなりの重量の荷物を入れたバックパックを長時間背負って、足もとの悪い山道を歩き続けることになります。体に合わないことによる少しの擦れなどが、登山を続けられないほどの痛みや、体の不調につながってしまうことがあるのです。ですから、選ぶときは実際に背負ってみながら、体に合ったものを探しましょう。お店では、実際に重りを入れて試してみることもできます。体に違和感がない、しっくりするバックパックが見つかったら、自分の体に合わせてフィッティングをしていくことになります。荷物を詰めた状態で、とりあえず全てのストラップを緩め、背負った状態で、ヒップベルトから調整していきますが、登山の際、重量を支えるのは腰になるので、この調整が非常に重要です。腰骨の上にベルトの中央が来るようにするのがポイントです。腰骨の下などにずれてしまっていると擦れの原因になり、上過ぎると胃を圧迫してしまい危険です。次にショルダーストラップの調整ですが、締めすぎると、荷物を腰でなく肩で背負うことになり負担が大きくなります。腰で背負い、肩で助けるくらいの重量のかかり方を意識します。ストラップの付け根が肩甲骨の真ん中にあると良いでしょう。そして、チェストストラップで密着させますが、締めすぎると、呼吸の負担になるので注意しましょう。スタビライザーストラップがついている場合は、締めると密着度が高くなり重量を感じにくくなりますが、緩めると動きやすくなります。登山の状況によって、調整し、身体への負担を減らすことができます。

4.パッキングのコツ

登山におけるパッキングのコツは快適さにも大きく影響してきます。ポイントはバランスと使用頻度です。バランスの点で意識したいのは、背中側に重いもの、外側に軽いものを入れていくということ、左右の重さを同じにするという点です。これを前提に、途中で取り出す可能性の低いものから下に詰めていきます。重いものとしては、水や燃料、食料、調理器具などが挙げられます。また、予備の着替えやテント、シュラフは奥に入れましょう。食料品などの余分な包装は極力除いていくことで持ち歩くゴミも減らせ、余分なスペースを減らすことができます。保存にはジップロックなどにまとめて入れておくと楽です。テントポールなどは隙間に詰め、すぐ取り出せる上の方にレインウェアや防寒具、行動食、救急用品、ヘッドランプ、手袋などを入れます。リッド(雨蓋)に入れることも考えておきましょう。目的ごとなどにまとめてスタッフバックやジップロックに入れると、取り出しやすくなります。そして、水筒や地図、コンパス、携帯、カメラなどすぐ取り出したいものは、ウエストポーチやわきのポケットを利用できます。さらに、雨で荷物が濡れると、物によっては命の危険にもつながります。ドライパックや、防水のスタッフバックなどを利用し、工夫しましょう。

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