登山における天気の判断とさまざまなトラブルの対処法

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山登りは季節を感じたり、自然を楽しむことができる素晴らしいものです。老若男女問わずできる山登りは、健康の為にも良いのですが、山登りにはいろいろなトラブルがつきものです。事前の準備でしっかりとトラブルに対処できるようにしておきましょう。また、天候が変わりやすいのが山の特徴でもありますので、山登りと天気の判断についてもご紹介します。

山の天気は変わりやすい!

山の天候は本当に変わりやすく、判断を誤ると重大な事故に繋がりかねません。特にあまり山に登った経験がない方は、判断を誤りやすいだけでなく、万が一山で悪天候に見舞われた際には危険を伴います。山へ登る前には、しっかりと天候についての下調べと、万が一の場合に備えた準備をしましょう。山の天候を知るためには、まず天気予報を見ます。もしも、周辺の天候が不安定であったり、何らかの注意報や警報が発令されている場合は要注意です。初心者の方なら山へ登ること自体を中止しても良いくらいです。また、予報を見る場合には、一般的な予報だけではなく、天気図からその後の天候の動きを読み取ったり、山専門の予報などをチェックすることもおすすめします。しかし、そういった予報などの情報だけでは決められない場合もあります。空の様子を観察することも必要ですし、あとは山の天候をよく知っている登山者や山小屋などで天候について聞いてみるのも良いでしょう。山の大きさが大きくなればなるほど、天候の変化もありますし、悪天候になった場合の影響も大きくなります。自分の力や判断を過信せず、危険があると思ったら中止する勇気を持つことも重要です。

(1)強風

山は上に登れば登るほど風が強くなります。晴天でも割と強い風が吹いていますから、悪天候になるとその強さは想像以上です。よく、台風の時などテレビの天気予報で風速を伝えている場面があると思います。台風の場合の風速はだいたい15メートル前後が多いですが、山の上で吹く風の強さは、時にこれを超える風速20メートル超となる場合もあります。山の上での強風が怖いのは、強い風にふかれて足下をすくわれてしまい、滑落する可能性があることです。風程度と甘く見ていると、崖下に転落してしまう可能性があることを忘れないでください。また、山の急な下り坂は、一度転げおちるとどんどんスピードが増していき、止まることができなくなります。

(2)降雨・増水

地上では晴天なのに、山の上だけ急に曇ってきて雨が降ってくることがあります。山の上での雨は、決して傘は使わないでください。と言うより、ほぼ傘は役に立ちません。山の上は風が強いので、傘だとすぐに壊れてしまうでしょう。また、傘では手がふさがってしまうので、危険もあります。必ず山へはカッパやレインウェアといった雨具を用意しておきましょう。リュックが防水でない場合は、ザックカバーというものがありますので、これをかければ中の荷物が濡れるのを防げます。

(3)濃霧

山では雨や風と同様に、突然濃い霧に襲われることがあります。山で発生する霧は、街中で発生するそれとは比べ物にならないほど濃く、一寸先が道なのか崖なのか分からないほど濃くなることがあります。そのため、足を踏み外して滑落してしまったり、方向を見失って現在地が分からなくなり、遭難してしまうことがあります。もしこのような濃霧に襲われてしまった場合には、無理に動き回ることはせず、霧が晴れるまでその場で待つことも必要です。これを「ビバーク」と呼び、緊急時にその場で野営することを言います。

(4)雷

山の途中でもし雷の音が聞こえたら注意が必要です。まずは雷がおちやすい尖った金属を下に降ろします。傘などをリュックにさしている場合は、外して手に持ちましょう。木の根本も危険なので、木の幹からは2メートル程度は慣れた場所が最適です。近くに山小屋があれば、中へ避難しましょう。

登山で危険な動物・昆虫

山にはたくさんの動物や虫が生息しています。こうした生き物を見かけることも、山登りの楽しみの一つではありますが、中には危険な動物や虫もいますので、注意が必要です。山で特に注意しなくてはならないのが、スズメバチです。時々ニュースでもスズメバチに襲われたことが取り上げられています。ハチに襲われないためには、なるべく黒い服装を避け、ハチを見かけても騒がないよにしましょう。また、山によってはクマが出没する地域もあります。クマが出没する可能性がある山へ登る場合には、熊鈴を用意しておくのも良いでしょう。

道を間違えたり迷ったら

地図を読み慣れていない方に多いトラブルが、道の間違えです。間違ったと気がついたら、まずは来た道を戻りましょう。来た道も分からなくなってしまった場合には、地図とコンパスを頼りにして登山道を目指します。この時に大事なのは、道が分からなくなった場合には必ず登りながら道を探すということです。登っていけば登山道や見晴らしの良い場所にたどり着けますが、下ってしまうと登山道からどんどん外れてしまって修正ができなくなってしまう恐れがあります。

予定時間をオーバーしてしまったら

日帰りのつもりが、予定よりも時間がかかってしまったり、時には道に迷ってしまったりして下山予定時間を超えてしまうこともあります。そういう場合に備えて、必ずヘッドランプなども準備しておきましょう。山道は暗くなると非常に歩きにくく、危険性も増します。また、暗くなってしまった場合、予定を変更して下山したり、近くの山小屋へ避難するなどの緊急的な判断も必要となります。

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