登山のマナー守っていますか?

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山登りの魅力は、都会では見ることができない美しい景色を楽しめること、新鮮な空気を思いきり吸えること、達成感を味わえること、山で出会う人たちとの交流を楽しめることなどです。これから登山を始めたいと思っている方なら、山でのマナーを知っておくと楽しく、また安全に山登りを楽しむことができます。登山のマナーと言っても特別なことではありません。周りの人たちや自然環境のことを思いやっていれば自然にできることばかりです。

登山道は右側通行で登り優先?

山登りをする時には右側を歩くか左側を歩くか地域によって異なります。右側通行のところが多いですが、左側通行のところもあります。どちら側を歩くかは暗黙の了解で、絶対的なルールではありませんが、どちら側を歩くかに関して共通の認識があれば、すれ違うたびに右往左往しなくても済むので、体力の浪費を避けることができます。

また、山登りでは原則として登り優先なので自分が下山している時に登ってくる人がいれば、山側に寄って待つようにします。谷側に寄ると、相手がつまづいて接触したりリュックサックがぶつかった時に、足を滑らせてしまうことがあり危険なので、できる限り山側に寄って登りの人が無理なく通れるようにしてあげます。

ただ、場合によっては、登りの人が下りの人に道を譲ることもあります。基本的なルールを知っておくのは必要ですが、最も大切なのは安全にすれ違えることです。お互いに声を掛け合いながら、臨機応変に対応しましょう。

「こんにちは」「ありがとう」の挨拶を忘れずに!

登山道で他の人とすれ違う時には挨拶をするのが基本です。黙ってすれ違うよりも笑顔で「こんにちは」と挨拶した方がお互いに元気が出ます。「頑張りましょう」「ごゆっくりどうぞ」「お先にどうぞ」などの励ましや気遣いのことばも嬉しいものです。

もし、道を譲ってもらったなら「ありがとう」も忘れないようにしましょう。疲れているかもしれませんが、最低限のマナーは守りたいものです。また、挨拶は自分の身の安全のためにも役に立ちます。挨拶をしていれば、万が一遭難にした場合に、目撃情報が捜索隊に提供されることがあるからです。

ゴミは必ず持ち帰ろう!

山に登っている最中に出たごみは持ち帰らないといけません。登山道でのポイ捨ては厳禁です。登りながら飴をなめたりすることもあるかもしれませんが、包み紙が風で飛ばないように注意しましょう。

山小屋にゴミ箱が設置されている場合、そこで購入した食べ物や飲み物のゴミは捨てることができますが、自分が持ってきた食品のごみを捨てることはできません。ゴミを下まで運ぶのにも人件費や輸送費がかかるので、自分の持ってきたゴミを捨てると注意されることがあります。せっかくの楽しい山登りも台無しになるので、ゴミは必ず持ち帰りましょう。

たくさんのゴミを持ち帰るのは面倒だと思う場合は、ゴミが出ないように準備の段階から工夫することができます。外箱から出して中身だけ持って行ったり、個包装のものは袋から出して1つにまとめるとゴミが少なくなります。また、密閉できる袋を持って行けばゴミを折りたたんで入れて、かさを少なくすることができます。

動植物は自然の中で楽しもう!

山登りをしていて可愛らしい鳥を見つけたら、ペットにしたいと思うかもしれませが、鳥を含めて動物を持ち帰ることはできません。鳥獣保護管理法では、野生の鳥獣を捕獲したり鳥の卵を採取することを禁じています。特別な理由がある場合にのみ都道府県知事あるいは環境大臣の許可を得て捕獲することができます。許可なく捕獲すると罰金刑や懲役刑に処されることがあります。ヒナを見つけた場合は保護してあげたくなるかもしれませんが、近くに親鳥がいて、人間が立ち去ってから世話をする場合があります。そのままそっとしておきましょう。

また、植物採取も自然公園法や自然環境保全法、種の保存法、森林法など様々な法律によって禁じられています。特別保護地区となっているところでは、動植物だけでなく石を持ち帰ることもできません。何千人もの人が、それぞれ自分の好きな鳥や植物を持ち帰ったとしたら、自然のサイクルが大幅に乱れてしまいます。動植物は自然の中で楽しみましょう。

歩きタバコとポイ捨ては厳禁!

歩きたばこも厳禁です。山登りの楽しみは都会では吸えない新鮮な空気を思う存分吸うことができるというところにもあります。ところが、歩きたばこをすると、他の人が強制的にたばこの煙を吸わされることになります。非喫煙者にとっては大変不愉快なことです。臭いもそうですが、タバコは約200種類の致死性有害物質を含んでおり、そのような有害なものを一瞬でも吸わされるというのは気持ちのいいものではありません。

タバコのポイ捨ても厳禁です。山火事の原因になりますし、捨てたフィルターを動物が食べてしまう恐れもあります。どうしても吸いたい場合は、マナーを守って周りに人がいない所あるいは風下で吸うようにし、吸い殻は携帯用の灰皿に入れて持ち帰りましょう。

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