多くの山には、複数の登山コースや登山口があります。複数あるコースの中から、どのコースを選ぶかで登山の楽しみ方も変わってきます。また、同じコースを使用しても、コース設定次第で、難易度や、登山にかかる時間には大きな違いが出てきます。ガイドブックなどには、各コースの難易度が書かれています。ですから、難易度のポイントなどを知り、自分に適したコースを選び、コース設定することで、毎回、少しずつ難易度を上げた登山に挑戦していくことができます。そうすることで、少しずつ、自分の登山経験や技術をステップアップしていくことができます。山登りにかかるコースタイムも様々ですから、コース選びは、登山の日程にも大きく関わってきます。複数人で登る場合には、メンバー全員の登山経験などから、コースを検討する必要が出てくることでしょう。
山歩きのコースの種類について
山歩きのコースは、様々な選び方ができます。複数のコースの組み合わせ方で、同じ山でも、一度使ったことのある登山道を一部使っても、様々な難易度の山登りを楽しむことができるのです。最もシンプルなコース設定が、登る時も、降りる時も同じコースを通る往復型です。登りに通ったのと同じコースを、疲れがたまる下山時にも通ればよいので、初心者にとっても比較的安全なコース設定だと言えます。往復型と異なり、登りと下りで異なるコースを使うのが、周回型コース設定です。行きと帰りで別な景色を楽しめるのは、周回型コース設定の楽しみです。また、登りと下り、それぞれに適したコースを選ぶことで、登山技術を段階的に高めていくこともできます。しかし、登山口は同じものを使うので、マイカーでのアクセスも可能です。これに対し、縦走型のコース設定は、複数の頂上を越えながら進んでいくので、入山口と下山口が異なります。場合によっては、途中で宿泊をしたりしながら、長い距離を進んでいくことになるので、装備も多くなってきます。縦走型が継続して頂上を越えていくのに対して、山麓や、キャンプ地、山小屋を拠点にして、周辺の山の頂上を目指していくのが定着型のコース設定です。このように、同じ山を登り、同じコースを使うとしても、その設定次第で、難易度は大きく変わってきます。また、登頂までにかかる時間も異なるので、同じ山でも様々な楽しみ方をすることができます。
コース選びのポイント
同じ山でも、コースによって登山の難易度は大きく変わってきます。しかし、難易度とは言っても具体的に何を規準に決定されているのかを知ることは、自分の経験や技術に合った相応しい登山コースを決める上で助けになります。一つのポイントは、アクセスです。アクセスが良い登山口であればある程、早く登山を始めることができるので、余裕のある登山スケジュールを組むことができます。山は暗くなると日中とは違う危険も出てくるので、日帰り登山などの場合は、帰りの時間を心配することなく、登山を楽しむことができるのは重要です。また、山の途中まで交通機関やロープウェーなどでアプローチできる場合もあります。初心者の方など、経験や体力の自信がない場合には、そのようなコースを選ぶこともできるかもしれません。
次にコース選びのポイントとなるのが、コースタイムです。一般的には、コースタイムが長いほど、難易度が高いと言えます。ガイドブックなどに記載されているコースタイムは、一般的には、成人男性が一般的な装備で歩いた場合の時間を規準にしています。休憩時間も含まれていませんし、女性であれば、もう少し時間がかかるかもしれません、基本的には、コースタイムより時間がかかることを想定して計画しましょう。
標高差は、コースの傾斜度を計る基準となります。傾斜が強いほど、難易度の高いコースと言えるでしょう。コースの整備状況も難易度に大きく影響します。案内看板などの有無や、階段や手すりの整備がきちんとされている登山コースは、迷うリスクも少なく、安全に登山を楽しむことができるので初心者にも安心して楽しめるコースだと言えるでしょう。岩場や、梯子、鎖などを使って登る難所の有無でも難易度が変わってきます。さらに、標高が高い山は、空気が薄く、身体に負担がかかり易くなり、さらには、天候も変わりやすいので、難易度が高くなります。
ガイドブックなどでの難易度がそれほど高くないコースだとしても、季節や天候によって、実際の難易度が大きく変わってくることがあります。コースだけでなく、その山の季節ごとの状況や、登る日の天候を十分に考慮することが必要でしょう。
初心者が登山コースを選択する場合にポイントにしたい点としては、体調不良や、天候悪化のような緊急事態の起こった時に、安全に下山できるコースがあることも挙げられます。そのようなコースがあることは、精神的な余裕にもなります。このような様々な難易度を決める基準があります。ぜひ、ご自身の登山経験や技術に合ったコースを選んでみましょう。