登山のためのトレーニング

普段から歩く習慣がある人でも、いきなり登山に行くのは危険です。ましてや、スポーツもしばらくしていなかったというような場合には、いきなり登山をすると、それほどのハードな登山でなくても、かなりきつくなります。ですから、登山を始めると体を鍛え、登山のためにトレーニングを始めようと考える方は少なくありません。もちろん、月に1回などと決めて、定期的にハイキングやトレッキング、低山を登ることでトレーニングをすることは効果的ですが、だれもが、定期的に行えるトレーニングではありません。また、細かい筋力や持久力のトレーニングとしては、日頃から小まめに行えるトレーニングが実際的で、効果的だと言えるでしょう。では、不安の無い状態で登山を楽しむ為には、具体的にどんなトレーニングが効果的なのでしょうか。

持久力アップのトレーニング

まず、基本的なトレーニングとして取り入れたいのは、持久力アップのためのトレーニングです。様々なスポーツの中でも、登山は、かなり長時間身体を動かし続けるものの一つだと言えるでしょう。そのためには、体力と持久力が必要になります。持久力には、心肺持久力と筋持久力があります。心肺持久力は、呼吸循環能力を高める、持久力としてイメージしやすいものです。身体全体を使う有酸素運動によって鍛えることができます。具体的には、ランニングや水泳、サイクリングなどが挙げられます。大事なのはスピードではなく、30分から1時間程度かけて、高負荷と低負荷を繰り返しながら行なうことです。週3回程度できると理想的ですが、とにかく続けるために、一週間に1回でも行なうことを目標にするといいかもしれません。持久力というと、心肺持久力のみをイメージしがちですが、これと同時に鍛えなければならないのが、筋持久力です。これは、筋力を長時間働かすことのできる力で、せっかく心肺持久力が鍛えられていても、筋肉がその動きに耐えられなければ、トレーニングは十分ではありません。

筋力アップのトレーニング

既にお伝えしたように、せっかく心肺持久力を鍛えたとしても、筋持久力が鍛えられていないと、体力的には余裕があったとしても、登山を続けることはできません。ですから、筋力アップのためのトレーニングも非常に重要です。筋力アップトレーニングのポイントは、登山に必要な筋肉を重点的に鍛えていくということです。登山に重要なトレーニングとしては、腹筋、背筋、そして太ももの大腿四頭筋です。腹筋と背筋はバランス良く鍛えることで、負担をかけすぎずに済みます。大腿四頭筋は、スクワットやハーフスクワットで鍛えることができます。10回1セットとして、最初は1セットから始め、できるようになったら3セット位するようにしましょう。正しい方法で行わないと、痛めてしまうこともあるので、正しい方法を確認して行ないましょう。また、痛みがある場合には無理をしないで、お医者さんなどに相談してください。これも持久力トレーニングと同じように週1回を最低限として、慣れてきたら週3回程度にできると良いでしょう。

柔軟性のトレーニング

登山では足元が悪い山道、場合によっては岩場などを歩くことになります。特に疲れが出てきたりすると、躓いたり、不安定な足元でバランスを崩したりすることが出てきます。そのようなときに柔軟性があれば、体勢を立て直すことができたり、身体を守ることができます。それで、うちどころが悪くて大けがをしたり、身体の筋を痛めて動けなくなってしまったりということを避けられる可能性が高くなります。柔軟性を高めるためにはもちろんストレッチが重要です。具体的には、太ももの裏側を、足の裏をしっかりつけて、前屈で伸ばしたり、片足で立って、もう片方の足をお尻につけて太ももの前側を伸ばしたりできます。伸びた状態を10-20秒キープしましょう。この際に、呼吸はしっかり続けるようにしてください。他にも、アキレス腱を伸ばしたり、足首を回したりすることも効果的です。

体幹のトレーニング

柔軟性と同じように、躓きそうになった時や足場の悪い所でもバランスを保ち続けて安全に登山を続けるには、体幹を鍛えておくことも重要なポイントとなります。また、危険な場面でなく普通に山を登っているだけにしても、前傾姿勢を保ったり、歩いているときの着地の際にバランスを保つことで、身体にかかる負担は大きく変わってきます。特に下る時に重心の移動が良くないと、足や腰に負担がかかり過ぎてしまい、身体を痛める原因になりかねません。体幹を鍛えるのにおススメしたいのが、プランクやダイアゴナルクロスとも呼ばれる体幹トレーニングです。また、ヨガのポーズも効果的です。木のポーズやハイランジは筋力もつけながら、体感を鍛えることのできるものです。ここで挙げたトレーニングは、登山だけでなく、日常生活にも効果的ですし、体型を保つうえでも効果的なトレーニングですから、ぜひ、早速始めてみてください。

登山靴の選び方と正しい履き方、慣らし方

登山は、とにかく長い時間歩き続けるものです。また、足場の悪い山道を歩くことにもなります。ですから、登山において、最も重要な道具は靴であると言えるでしょう。登山に適した、そして自分に合った靴を履いていないと、怪我をしたり、痛みで歩き続けられなくなったり、場合によっては足を滑らしたりして、命の危険につながることもあり得るのです。登山を安全に、そして少しでも快適に楽しむために、自分に合った登山靴を選びましょう。

登山靴の種類

登山靴と一言で言っても、登山のジャンルや季節などによって準備するべき登山靴は変わってきます。トレッキングと同じような、低山登山の場合には、ハイキング・トレッキングシューズでも十分です。一般的な登山靴より軽く、ソールも柔らかいので、長時間歩くことに慣れていない初心者にとっても疲れにくく、歩きやすい靴だと言えます。しかし、中級以上の山を登るとなると、ハイキング・トレッキングシューズでは心もとないでしょう。よりソールもしっかりし、足首をある程度固定する軽登山靴と言われる靴が必要になります。さらにハードな登山の場合には、重登山靴と言われる登山靴が必要になります。雪山登山にも対応するような登山靴で、保温効果があったりしますが、軽登山靴より上まで足首をしっかり固定し、ソールも重くなっています。

登山靴の選び方ポイント

サイズの決め方

登山靴のサイズは、普段の靴より1cm程度を目安に大きめのものを選びます。かかとに指1本が入るくらいの隙間です。これくらいの隙間があると、足のつま先が靴に当たり続けて痛みが発生するのを防げます。

ソールの厚さと溝

登山靴のソールの厚さは靴の重さや歩き心地、バランスの取りやすさに違いが出てきます。また、溝の深さは、グリップに関係し、足場の悪い岩場や積雪などでも安全に登山をしていくポイントになります。ハードな登山になるほど、ソールは厚くなり、溝も深くなります。

アッパーの素材

アッパーの素材は、大きく分けて化学繊維のものと、皮素材があります。ハードな登山に対応した登山靴は革の物が多く、足に馴染みやすく、防水性や衝撃に強いというメリットがあります。一方で、化学繊維を使ったものは軽さなどの点で優れています。

アッパーの高さ

アッパーが高ければ高いほど、足首の負担を軽減してくれますが、同時に足首を動かしにくくなります。ハードな登山になると足にかかる負担は大きくなるので、それを軽減できるハイカットの登山靴が必要になります。

積極的に店員さんに相談しよう!

登山靴には素材や形の違いなど、非常に様々な種類があります。ですから、最初に登山靴を選ぶ際には、自分の知識に頼らず、専門の知識を持っている店員さんのいるお店に行き、どんな山に登るかを伝えたうえで、自分に合った登山靴を選ぶのを助けてもらうのが良いでしょう。

登山靴の履き方

まず、大事なのは、紐をきちんと緩めたうえで履くことです。紐靴は上の方を緩めただけで、足を入れてしまいがちかもしれませんが、きちんと足の甲から足に合わせて固定していくために重要です。きちんと紐をすべて緩めた状態で、足を入れ、かかとも数回床に打ちつけて、かかとを合わせます。その状態で、つま先が動かせることを確認したら、かかとがずれないようにつま先を上にあげたまま、靴ひもを先から、しっかりと締めていきます。甲と足首までをきちんときつすぎない程度にしっかりと紐を締めることで、靴を固定します。ここできちんと固定できていないと、歩くたびに足が靴の中で動いてしまうと、靴ずれの原因になってしまいます。それ以降は多少緩めにして隙間を作ることで、靴の縁が当たり続けて、痛みが出ることを防ぎます。

登山靴の慣らし方

普通の靴がそうであるように、登山靴も足になじむまでには時間がかかるものです。特に、皮の登山靴は馴染めばとても履きやすくなりますが、最初は硬く、足に負担がかかります。登山の途中に足が痛くなってしまうと、登山は苦痛でしかなくなってしまいます。ですから、事前に靴を柔らかくし、また、紐の締め具合などを確認するために、履き慣らすのはとても重要なことです。事前に街中で歩くだけでなく、できれば、階段や坂道などの山道と同じような状況で履き慣らすことが望ましいでしょう。1,2回の履き慣らしでは十分ではないので、可能な範囲で、できるだけ何回も履くようにしましょう。靴を慣らしていきながら、紐の調整や、痛みが出るようであれば、インソールや靴下で調節していくことができます。自分では調節が難しいようであれば、靴を購入したお店で見てもらえるかもしれません。そして、新しい登山靴で登る最初の山はできれば、あまりハードな山でなく、短い登山ですむ山にすると良いでしょう。そうすれば、高い山やハードな登山にも、安心して望むことができます。

登山で使用するバックパックの選び方

登山では、様々な状況で安全に登山を行なうためのあらゆる装備を持って歩く必要があります。そのために重要なのがバックパックの選び方です。登山では、街中や旅行の際と背負っている時間が異なり、少しの不具合が体力を奪ったり、登山を楽しめない原因となってしまいます。登山に合った、そして自分の体に合ったバックパックを選び、登山を楽しみましょう。

1.登山の日程とスタイルで最適なものを選ぼう

まず大切なのは、目的に沿った物を選ぶことです。選ぶポイントの一つは日程とスタイルです。目安となるのは、宿泊する登山かどうかという点です。それによって、容量が変わってきます。また、スタイルによってポケットの有無や素材にも違いが出てきます。例えば、初心者向けの山や、比較的緩やかな登山の場合には、取り出しやすいポケットが便利になりますが、厳しい登山の場合、物を落としたり、引っかかったりする危険があるのでシンプルな物の方が適していると言えます。また、それほど重量の荷物を必要とする登山でなければ、軽量性の高い素材の物を使うことができますが、重量のある装備が必要なようなハードな登山の場合や、岩場での登山の場合には、耐久性があるしっかりした素材の物が適していると言えます。

2.日帰り登山は快適さ優先の30L以下

バックパックには10L程の小さなものから、90L以上の物まで様々な容量の物があります。登山の日程に適したバックパックを選ぶ際の一つの目安となるのは30Lだと言えます。日帰りの場合には、30L程度のバックパックで十分ですが、宿泊する登山の場合には、宿泊に必要な装備も入れられるだけの容量が必要となります。また、宿泊の形態によっても、持参しなければならない装備は違いが出てきます。山小屋などでの宿泊であれば、それほど装備を持っていかなくても良いので、30L程度でも何とかなるかもしれませんが、テント泊であれば、テントや寝袋、食糧など、全ての物を入れられるものである必要があります。ですから、日帰り登山の倍程度の、50-60Lくらいの物を準備する必要があるでしょう。

3.フィッティングは違和感がなくなるまで

登山では、それなりの重量の荷物を入れたバックパックを長時間背負って、足もとの悪い山道を歩き続けることになります。体に合わないことによる少しの擦れなどが、登山を続けられないほどの痛みや、体の不調につながってしまうことがあるのです。ですから、選ぶときは実際に背負ってみながら、体に合ったものを探しましょう。お店では、実際に重りを入れて試してみることもできます。体に違和感がない、しっくりするバックパックが見つかったら、自分の体に合わせてフィッティングをしていくことになります。荷物を詰めた状態で、とりあえず全てのストラップを緩め、背負った状態で、ヒップベルトから調整していきますが、登山の際、重量を支えるのは腰になるので、この調整が非常に重要です。腰骨の上にベルトの中央が来るようにするのがポイントです。腰骨の下などにずれてしまっていると擦れの原因になり、上過ぎると胃を圧迫してしまい危険です。次にショルダーストラップの調整ですが、締めすぎると、荷物を腰でなく肩で背負うことになり負担が大きくなります。腰で背負い、肩で助けるくらいの重量のかかり方を意識します。ストラップの付け根が肩甲骨の真ん中にあると良いでしょう。そして、チェストストラップで密着させますが、締めすぎると、呼吸の負担になるので注意しましょう。スタビライザーストラップがついている場合は、締めると密着度が高くなり重量を感じにくくなりますが、緩めると動きやすくなります。登山の状況によって、調整し、身体への負担を減らすことができます。

4.パッキングのコツ

登山におけるパッキングのコツは快適さにも大きく影響してきます。ポイントはバランスと使用頻度です。バランスの点で意識したいのは、背中側に重いもの、外側に軽いものを入れていくということ、左右の重さを同じにするという点です。これを前提に、途中で取り出す可能性の低いものから下に詰めていきます。重いものとしては、水や燃料、食料、調理器具などが挙げられます。また、予備の着替えやテント、シュラフは奥に入れましょう。食料品などの余分な包装は極力除いていくことで持ち歩くゴミも減らせ、余分なスペースを減らすことができます。保存にはジップロックなどにまとめて入れておくと楽です。テントポールなどは隙間に詰め、すぐ取り出せる上の方にレインウェアや防寒具、行動食、救急用品、ヘッドランプ、手袋などを入れます。リッド(雨蓋)に入れることも考えておきましょう。目的ごとなどにまとめてスタッフバックやジップロックに入れると、取り出しやすくなります。そして、水筒や地図、コンパス、携帯、カメラなどすぐ取り出したいものは、ウエストポーチやわきのポケットを利用できます。さらに、雨で荷物が濡れると、物によっては命の危険にもつながります。ドライパックや、防水のスタッフバックなどを利用し、工夫しましょう。

登山に必要な持ち物

登山において、服装や持ち物などの装備は、登山においてのリスクを回避したり、緊急時に命を守るために非常に重要なものです。最近は、登山の人気に伴い、山へのアクセスも、登山道も良く整備されていて、登山が身近で、手軽に始められるようになっているのも事実です。それゆえに初心者が低山を登る際には、それほど装備は必要ないと考えてしまうこともありがちです。しかし、長く、そして怪我などもなく安全に登山を楽しむためには、初心者に適した低山を登る際にも、最低限に必要な登山用品というものがあります。ぜひ、必要な装備はしっかり準備して、安全に登山を楽しみましょう。登山の際の忘れ物は、思わぬ危険につながります。ですから、チェックリストを作成して、忘れ物がないように準備しましょう。

登山・トレッキングを始めるために必要な予算は?

登山をこれから始めようと考えていらっしゃる方にとって気になるのは、始めるにあたって必要な予算でしょう。もちろん最初から全ての装備を準備する必要はありません。最初から全てを購入しなくても、初めは持っているもので代用しながら、少しずつ揃えていけばよいものもあります。しかし、どうしても欠かせないものがあります。最初に最低限必要なものを備えるにあたって必要な費用は、大まかに言って5万円弱から10万円程度となります。もちろん、高いものを購入しようとすれば、金額は上がっていきます。しかし、初心者の時点で、それほど高級なものをそろえる必要はないでしょう。ある程度の質の良い、手軽な価格の物から使い始めてみて、実際に登山をしながら、どんなものが欲しいか検討していくと良いと思います。

基本装備

登山を始めるにあたって、最低限購入しておきたいものは、登山靴、レインウェア、バックパックの3つです。特に登山靴は、長距離を歩く上での疲れ方、足場の悪い登山道で滑らずに歩けるなど、安全面でも単なる登山靴風の靴とは全く異なります。基本的に、山はどんなに足が痛くても、自分の足で歩き続けなければなりません。長時間歩くうちに、靴が合わなくなって痛みが出てしまったり、靴がダメになって底がはがれてしまったりした状態で、歩き続けなければいけないというのは、本当に辛いものです。ぜひ、そのような嫌な思い出にならないように、登山靴は自分に合った、質の良いものを準備しましょう。また、山の天気は変わりやすいというのは良く聞くことでしょう。急な雨の中、山道を歩くには、街中用のレインウェアでは不十分で、高機能な登山用のレインウェアが欠かせません。着心地も、防水性や通気性の高さも普通の雨具とは全く異なります。また、バックパックも登山用の物は機能的な上に、重さを感じにくく、疲れにくいので、体力に自信のない初心者の方にこそ使用していただきたいものです。それ以外に、登山ウェアがあります。山は天気が変わりやすいので、暑さ、寒さに対応でき、かつ動きやすく、汗対策として速乾かつ、保湿性があることなど様々な機能が求められます。初めから、全てを備える必要はありませんが、肌着など、重要なものから、揃えていくと良いでしょう。

持っていないものは代用品でOK!

既にお伝えした様に、登山に必要なものを初めから一度にすべて備える必要はありません。既に持っているもので代用できる場合もあります。例えば、登山用ウェアは、スポーツウェアで代用することができます。スポーツウェアは、登山ウェアと同じように動きやすく、速乾作用が高いので、比較的登山にも合っていると言えます。バックパックも、ハイキングレベルの登山であれば、すぐに購入するのが難しければ普段使っているもので代用することもできます。バックパックのカバーも、雨の時にあると便利ですが、ビニールを被せて代用することもできます。帽子や、サングラスなども登山用がありますが、手持ちの物を使うこともできます。また、グローブの代わりに軍手を使用することもできます。

持っていると便利なもの

上記の基本装備以外にも、持っていると便利なものとして、初心者の方におススメしたいのが、サポートタイツです。登山初心者の方はトレーニングも十分でなく、足腰が登山に慣れていないので、膝などに負担がかかり、登山をしているうちに、痛みが生じやすくなっています。サポートタイツは、関節や筋肉の動きをサポートするために作られ、かつ動きがスムーズになるように作られています。また、足の疲れによるむくみを抑えてくれたりするので、山道を長時間歩き続ける上で助けになります。他にもあると便利なものとして、ストックがあります。ストックがあると、山登りによって足腰の負担を軽減してくれるので、疲れたときに助けになります。また、ヘッドランプもできるだけ早いうちに購入したいものです。日中の登山の予定だとしても、山の中は何が起こるかわかりません。迷ったりして、暗くなってしまうこともあり得ます。そんなときに、手をふさがずに足元を照らせるヘッドランプは実用的です。

登山に適した服装・ウェアとは

登山だけでなく、アウトドアでの服装のポイントは、重ね着「レイヤリング」です。山の天気は変わりやすく、どんな天候にも対応できる服装をして、体温調節をきちんとすることが非常に重要です。ですから、小まめに服の脱ぎ着をできることがとても重要になっていますし、動きやすく、目的に沿った機能を備えている服である必要があります。また、山道を歩くことで汗をかくので、その汗により体を冷やさないような、機能的なウェアを選ぶことは、体調を壊さずに、心地よく登山を続ける上での大きなポイントになります。さらに、同じ目的の服も、使用する季節によって種類が変わってきます。その点も考えて何を着るか、何を購入するかを考えましょう。

ウェアは3層で考える

登山における、レイヤリングの基本は、3層で考えるということです。ベースレイヤー(肌着)、ミッドレイヤー(中間着)、アウターウェア(外着)の3層に分けて、重ね着を準備しましょう。そして、それぞれの役割の服も、登る山や季節によって、種類が様々です。登山における服装は、登頂の成功だけでなく、場合によっては命にも関わることがありますから、慎重に選ぶようにしましょう。大まかな役割としては、まず、アンダーウェアは保湿効果や歩いているうちにかく汗対策、吸汗・速乾効果がポイントになります。そして、その上に着るミッドウェアは、様々な選択肢があります。季節や好みによってファッション的にも楽しめる部分です。アウターは、雨や風から身を守るものとなります。このように、登山の服装は3層の重ね着で考えていきますが、各層が1枚というわけではありません。特にミッドウェアは2,3枚で組み合わせ、より細かい対応調整ができるようにするのが一般的です。

ベースレイヤー、アンダーウェア

登山の服装において、最も重要なのは、このアンダーウェアやベースレイヤーと呼ばれる下着だと言うことができるでしょう。これらは直接肌に触れるものですから、なによりも素材がポイントになります。登山では、常に体を動かしているため汗をかきます。この汗がいつまでも吸収されずに肌に接していると、体温が奪われ、体を冷やすことになってしまいます。また、常に気温も変化していますから、汗を素早く吸収し、速く乾くような素材でないと、低体温症などを引き起こしてしまうことがあるのです。様々な素材がありますが、注意したいのは、綿は登山の服装に適していないという点です。吸水効果は高いのですが、速乾性が低いので、登山においては、体温を奪いやすい素材となってしまいます。最近は、このようなベースレイヤー様々な工夫がなされた化学繊維の素材が出ています。例えば、内側に凹凸を付けることによって、肌に接する面が少なくなっており、汗が乾くまでに奪われる体温を最小限に抑える作りになっていたり、水分が中から外にのみ通るようになっており、外からの水分は通さないような作りになっていたりと、非常に高機能になっています。また、長時間肌に触れ続けることになりますから、擦れたりしない素材であることも重要です。肌触りの好みなどにも合わせて選んでみましょう。

ミッドレイヤー、インシュレーション(インサレーション)

ミッドレイヤーはインナーとも呼ばれ、ベースレイヤーの上に着るものです。その主な役割は、外気を遮る事と防寒や保温ですが、同時に、ベースレイヤーから発散される汗を外に出す役割もあり、保温効果があると共に通気性があることも求められます。季節や登る山によってその内容は大きく異なってきます。シャツやジャケットから、保温効果や防寒効果の高いフリースやインシュレーション(インサレーション)とも呼ばれるダウンジャケットなど、様々な種類があります。夏のかなり暑い時期であれば、ベースレイヤーのみで登ることもあるかもしれませんが、そうでなければ、ベースレイヤーにこのミッドレイヤーを組み合わせた服装が、登山の服装のメインとなることでしょう。ですから機能性はもちろん、デザインも好みが大きく出るところです。登る山や気候に合わせて、十分な対応調整ができるように準備しましょう。多くの場合、体温調節には、このミッドレイヤーの脱ぎ着も重要になってきます。ですから、暖かい時にはコンパクトにしまえる収納性もポイントになってきます。

アウター、レインウェア

アウターは、天気の変わりやすい山の中での雨風や雪などの悪天候から身を守るために、重要なものです。厳しい自然環境中での登山に欠かせないハードシェルジャケットのような完全防水の悪天候用のものから、防風や軽い防水を役割とするソフトシェルジャケットや、ウインドシェルジャケット(ウインドブレーカー)までをアウターと呼びます。夏山の場合であれば、レインウェアをアウターとして使用できます。登山のアウターのポイントは、悪天候から身を守るものでありつつ、耐久性や動きやすさに優れたものであることです。

自分に合った登山コースの選び方

多くの山には、複数の登山コースや登山口があります。複数あるコースの中から、どのコースを選ぶかで登山の楽しみ方も変わってきます。また、同じコースを使用しても、コース設定次第で、難易度や、登山にかかる時間には大きな違いが出てきます。ガイドブックなどには、各コースの難易度が書かれています。ですから、難易度のポイントなどを知り、自分に適したコースを選び、コース設定することで、毎回、少しずつ難易度を上げた登山に挑戦していくことができます。そうすることで、少しずつ、自分の登山経験や技術をステップアップしていくことができます。山登りにかかるコースタイムも様々ですから、コース選びは、登山の日程にも大きく関わってきます。複数人で登る場合には、メンバー全員の登山経験などから、コースを検討する必要が出てくることでしょう。

山歩きのコースの種類について

山歩きのコースは、様々な選び方ができます。複数のコースの組み合わせ方で、同じ山でも、一度使ったことのある登山道を一部使っても、様々な難易度の山登りを楽しむことができるのです。最もシンプルなコース設定が、登る時も、降りる時も同じコースを通る往復型です。登りに通ったのと同じコースを、疲れがたまる下山時にも通ればよいので、初心者にとっても比較的安全なコース設定だと言えます。往復型と異なり、登りと下りで異なるコースを使うのが、周回型コース設定です。行きと帰りで別な景色を楽しめるのは、周回型コース設定の楽しみです。また、登りと下り、それぞれに適したコースを選ぶことで、登山技術を段階的に高めていくこともできます。しかし、登山口は同じものを使うので、マイカーでのアクセスも可能です。これに対し、縦走型のコース設定は、複数の頂上を越えながら進んでいくので、入山口と下山口が異なります。場合によっては、途中で宿泊をしたりしながら、長い距離を進んでいくことになるので、装備も多くなってきます。縦走型が継続して頂上を越えていくのに対して、山麓や、キャンプ地、山小屋を拠点にして、周辺の山の頂上を目指していくのが定着型のコース設定です。このように、同じ山を登り、同じコースを使うとしても、その設定次第で、難易度は大きく変わってきます。また、登頂までにかかる時間も異なるので、同じ山でも様々な楽しみ方をすることができます。

コース選びのポイント

同じ山でも、コースによって登山の難易度は大きく変わってきます。しかし、難易度とは言っても具体的に何を規準に決定されているのかを知ることは、自分の経験や技術に合った相応しい登山コースを決める上で助けになります。一つのポイントは、アクセスです。アクセスが良い登山口であればある程、早く登山を始めることができるので、余裕のある登山スケジュールを組むことができます。山は暗くなると日中とは違う危険も出てくるので、日帰り登山などの場合は、帰りの時間を心配することなく、登山を楽しむことができるのは重要です。また、山の途中まで交通機関やロープウェーなどでアプローチできる場合もあります。初心者の方など、経験や体力の自信がない場合には、そのようなコースを選ぶこともできるかもしれません。

次にコース選びのポイントとなるのが、コースタイムです。一般的には、コースタイムが長いほど、難易度が高いと言えます。ガイドブックなどに記載されているコースタイムは、一般的には、成人男性が一般的な装備で歩いた場合の時間を規準にしています。休憩時間も含まれていませんし、女性であれば、もう少し時間がかかるかもしれません、基本的には、コースタイムより時間がかかることを想定して計画しましょう。

標高差は、コースの傾斜度を計る基準となります。傾斜が強いほど、難易度の高いコースと言えるでしょう。コースの整備状況も難易度に大きく影響します。案内看板などの有無や、階段や手すりの整備がきちんとされている登山コースは、迷うリスクも少なく、安全に登山を楽しむことができるので初心者にも安心して楽しめるコースだと言えるでしょう。岩場や、梯子、鎖などを使って登る難所の有無でも難易度が変わってきます。さらに、標高が高い山は、空気が薄く、身体に負担がかかり易くなり、さらには、天候も変わりやすいので、難易度が高くなります。
ガイドブックなどでの難易度がそれほど高くないコースだとしても、季節や天候によって、実際の難易度が大きく変わってくることがあります。コースだけでなく、その山の季節ごとの状況や、登る日の天候を十分に考慮することが必要でしょう。

初心者が登山コースを選択する場合にポイントにしたい点としては、体調不良や、天候悪化のような緊急事態の起こった時に、安全に下山できるコースがあることも挙げられます。そのようなコースがあることは、精神的な余裕にもなります。このような様々な難易度を決める基準があります。ぜひ、ご自身の登山経験や技術に合ったコースを選んでみましょう。

登山計画の立て方

実際に登山に挑戦してみるとなった時に重要なのは、登山計画です。登山計画には、どの山に登るか、誰と行くかという根本的な計画から、その登る山についての情報を集め、その上でメンバーの経験などに応じたルートやスケジュールを決め、メンバーの役割や、装備の決定など細かい所までの計画全てが含まれます。この計画は、登山の成功や楽しさを大きく左右しますから、十分に時間を取って情報を集め、自分達の経験や技術に合った、できるだけ実際的な計画を立てましょう。

1.四季・自然・気象を知って登りたい山を決めよう

まず、どの山に登るかを決めるのに、特に重要なのが季節です。同じ山でも、季節によって山の景色、天気は大きく変わってきます。例えば、3月から5月くらいの春は低山や比較的温かい地域では、程よく温かく、様々な花や若葉を楽しむことのできる季節だと言えます。一方で、標高の高い山やエリアによっては、まだ雪山だったり、雪が降ったりすることもありますから、初心者には向かない場合もあります。6月から8月くらいまでの夏の季節は、高山植物が多く楽しめる時期でもあり、経験のある登山者だけでなく、ハイキングなどで山に慣れていない方でも、比較的手軽に山歩きを楽しめる季節と言えます。しかし、雷雨などの可能性も高いので、事前の天気のチェックや、防寒の備えなどはしっかりしておく必要があります。また、9月から11月は、紅葉を楽しめる非常に美しい季節となります。しかし、実は秋の山の季節は変わりやすく、秋雨の時期は足場も悪くなるので、事前の準備や気象情報の下調べも必要です。冬の山は、標高が高い山だと雪山になり、難易度が高くなります。しかし、低山であればそれほど雪も深くなく、冬ならではの景色を楽しめるでしょう。

2.いつ・誰と登るか決めよう

登山にいつ、誰と行くかは、自分の登山の経験によって決める必要があります。既に述べたように、山は季節や気象状況によって、難易度が変わってきます。ですから、初心者の方であれば、できるだけ、天候の良い季節や、日程を選ぶのが良いでしょう。誰と行くかという点ですが、登る山にもよります。低山であれば、初心者同士でも、仲の良い友達で気軽に行くこともできます。しかし、標高の高い山や、難易度の高い山に初心者が登る場合には、初心者だけでは、登頂が難しくなる場面が出てくるでしょう。経験のある人と一緒に登ることができるなら、登頂成功の確率も高くなりますし、安全でしょう。一緒に登ってくれる経験者が身近にいない場合には、ガイドをつけることも検討するべきかもしれません。

3.ガイドブック、地図を買うなどして情報を集めよう

登る山を決める際には、ガイドブックの情報が参考になります。ですから、まずは、ガイドブックを見て登る山を決め、その特徴を掴むことができます。しかし、実際にどの山に登るか決まったなら、ガイドブックだけではなく、登山地図を手に入れるようにしましょう。ガイドブックの地図は、情報が少ない場合があるからです。全ての登山道まで記載されていなかったり、近隣の情報が十分でない場合があります。そうすると、ルートを間違えてしまったり、迷ってしまった場合に、自分の現在地を把握したり、正しい下山ルートを見極めるのが難しくなってしまうからです。登山地図は近隣の広い範囲を、詳細に載せているので登山に当たって十分な情報が含まれていると言えます。

4.歩くルートとスケジュールを決め登山計画書を作ろう!

どの山に、いつ、誰と登るかが決まったら、ルートやスケジュールを決めることになります。登山ルートが一本しかない山に登るのであれば、問題ありませんが、多くの山は、複数の登山ルートがあり、ルートによって難易度や、かかる時間などに違いがあります。そして、スケジュールを立てていきます。選んだルートの登山時間を参考にしながら、そこに休憩時間や、食事の時間、山頂での時間などを足していきます。初心者であればある程、余裕を持ってスケジュールを立てることが重要です。そして、これらの情報を登山計画書として、所轄県警や登山口に提出することで、遭難などの緊急時に救助をスムーズにすることができます。登山計画書の記載事項やテンプレートなどを参考に作成しましょう。

5.出発前にメンバーの役割といざという時の備えを用意しよう

登山計画を立てる際には、いざという時の備えをすることも含まれます。その中には、リーダーなどのメンバーの役割を決めておくことが含まれます。リーダーは登山全体の責任を持つので、経験や技術があることが理想で、メンバーをまとめ、全体を見れることが必要です。それ以外にも、サブリーダーや、医療係、気象係などを決めることができるかもしれません。いざというの時の備えとしては、緊急時の避難ルートを決めておくことや、緊急時の連絡網や、名簿の作成などが含まれます。名簿には基本情報の他に保険証番号や血液型、女性の場合は、記載しないとしても、生理の時期を医療係などが把握しておくようにすると良いでしょう。

登山の様々なジャンル

一言で登山と言っても、そのジャンルは様々です。ハイキングのような手軽に始められるものから、クライミングや、雪山登山のような、かなりの経験や技術、準備を必要とするような本格的なものまであります。人によって、登山と聞いてイメージするものも違いがあることでしょう。最初から、本格的な登山をイメージして、そのような登山に挑戦したいと考える方もいるかもしれませんが、登山は経験が非常に大切です。最初は、ライトなジャンルの登山からスタートするのが、長く楽しめる秘訣だと言えるでしょう。

1.日帰り登山、ハイキング、トレッキング

登山を始めるにあたって、まずおススメしたいのが、日帰り登山、ハイキング、トレッキングのようなライトなものです。その違いですが、まず、ハイキングは、自然を楽しむことに重点を置いています。ですから、必ずしも目的地が山であるとは限りません。歩きながら自然を楽しむという点で、平坦な場所で歩くことに慣れていきながら、登山の楽しさを体験することができます。装備も軽いもので済むので、登山初心者には最適だと言えるでしょう。トレッキングは、山歩きの事を言います。登山とは違って、頂上を目指すわけではありませんが、場合によっては、数日かけて山道や登山道を歩きます。徒歩だけでなく、自転車などに乗って行なう場合もあります。ですから、ハイキングよりは重装備が必要になりますし、場所によっては登山と同じような装備が必要になります。日帰り登山は標高のそれほど高くない山の頂上を目指すものです。初めは数時間自然の中を歩くハイキングから始め、だんだんに距離や時間を延ばしたり、高度を挙げていきながら、山の中でのペース配分や、歩き方のリズム、道具の使い方など登山の基本を身につけていくことができます。

2.縦走

縦走は、尾根伝いに幾つかの山の頂上を越えていきます。場合によっては頂上を目指さず、稜線を歩く場合もあります。日帰り登山などよりは標高の高い山を幾つも超えていくもので、数日をかけるのが通常です。単に一つの山の頂上を目指して終わりというわけではないので、体力の調整や、ペース配分などの点で、経験や知力が必要とされます。宿泊場所によって、そのハードさにも違いがあります。山小屋を利用する場合であれば、燃料や食材を、テント泊であれば、テントや寝袋、食材などすべての装備を背負って登山することになります。山を登る楽しさだけでなく、宿泊や食事の際の会話など仲間とのコミュニケーションも大きな楽しみの一つです。

3.沢登り

沢登りは、沢や滝を登りながら山頂を目指す登山スタイルで、豊かな森林や山岳地帯を多く持つ日本だからこその、独自の登山スタイルだとも言われています。美しい自然の景色や水のそばで生息する生物に出会える楽しみがあり、変化に富む登山を楽しめる一方で、滑りやすく、岩などの足場の良くないルートを進んでいくので、危険も伴い、その危険を回避できるだけの高い経験が求められます。また、天候により、鉄砲水などの危険もあるので、変わりやすい山の天気などに通じ、的確な判断を下せるだけの知識も求められます。装備も通常の登山で必要な物とは違いが出てきます。最近では、水に入ることを楽しむという、登山と言うよりは水遊び的な側面も出てきていますが、もともとは、登山道の無い山を登る手段でした。

4.雪山

山は同じ山でも、季節によって大きくその表情を変えます。その中でも、特にほかの季節と大きく異なる表情を見れるのが、冬の雪山だと言えるでしょう。雪山を知ってしまうと、これこそ、本物の山だという感動を味わってしまう方は少なくありません。風や自分達の足音のほかは何の音もしない、一面真っ白な雪景色の中頂上を目指すのは、ほかの季節の山の自然を楽しみながらの登山とは、一線を画すものがあります。しかし、やはり、やりがいがあるだけリスクがあります。寒さのなか、ほかの季節以上の重い装備を持って頂上を目指すには、それだけの体力が求められます。また、雪崩や滑落、凍傷や低体温症などといったリスクがありますから、それらの兆候を少しでも早く察知する能力や、そのような事態に素早く対応できる判断力や知力も求められます。しかし、雪山も山の高さやエリアなどによって、その難易度は全く違いが出てきます。

5.バリエーション

バリエーションとは,一般の登山ルートを外れた、整備されていない、より難しいルートを使って頂上を目指すスタイルです。整備されているルートではないので、クライミング技術や、沢登り技術など、様々な登山技術が求められます。また、基本的には、自分でルートを決めて登っていくので、地形図やコンパスをきちんと読めることを基本とした十分なルートファインディング技術が必要になります。また、事前の下調べに応じた装備の選択も重要になってきます。一般登山と比べると、難易度は高くなりますが、自分でルートを選んでいくことで、よく知っている山でも、新しい面を発見し、新鮮な気持ちで楽しむことができます。

登山の魅力

最近、人気のある趣味の一つとして挙げられる登山ですが、どんなイメージをお持ちでしょうか。恐らく多くの方が人生の中で一度くらいは登山をした経験があるはずです。子どもの頃の遠足や、学生時代の思い出作りなどで登山をすることがあったかもしれません。疲れて大変だった思い出が強いでしょうか。その中でも感じた達成感や、山頂の景色などを思い出すでしょうか。登山の魅力は様々で、大人になった今だからこそ分かる魅力もあります。

魅力1.健康、運動不足解消に最適

登山をする方が挙げる登山の魅力の一つは、健康に良いということです。仕事を始めて、毎日忙しくなると、ついつい運動不足になりがちです。特にデスクワークなどが多い方は、通勤時のちょっとの階段さえ、きつく感じてしまうということになりがちです。その点、登山はとても良い運動不足解消になります。足腰が鍛えられることは言うまでもありませんが、それだけでなく、有酸素運動なので、臓器や血管、骨など様々な体の部分を健康に保つのに役立ちます。また、代謝を上げたり、体脂肪を燃焼させたりすることもできるので、体の中と外の若々しさを保つのに最適な運動だと言えるのです。それだけでなく、自然の景色を見ながらの運動なので、ストレス発散の効果や脳への刺激にもなります。毎日の生活の中で、ストレスがたまりがちで、体にもだるさを感じてしまうということはないでしょうか。登山は、そのような方にこそ、ぜひ挑戦してみていただきたい、心身の健康、そしてアンチエイジングにも役立つスポーツなのです。

魅力2.登山でこそ出会える自然の景色

登山の魅力を語るのに決して欠かせないのが、登山だからこそ見ることのできる景色です。日頃、街中で生活している人にとっては特に、登山で見ることのできる自然の景色は、毎日の疲れやストレスを忘れさせてくれるものです。一言に自然の景色と言っても、登る山によって、見ることのできる景色は様々です。ですから、その時々の気分や興味に合わせて登る山を決め、その山ならではの景色を楽しむことができるでしょう。また、同じ山でも、天候や季節によって様々な表情を見せてくれます。これは、登山が長く続けていける趣味である理由の一つとも言えるかもしれません。山の上から見える壮大な景色や、途中の川や湖の爽やかな景色、木々の隙間から入ってくる太陽の光、そして途中の道端で見られる高山植物や鳥など。このような様々な自然の景色に触れ、その中を森林浴をしながら頂上を目指して登って行くのは、とても楽しい時間となります。写真が好きな方にとっては、写真の被写体として魅力があるものにたくさん出会えることでしょう。

魅力3.登りきった時に味わえる達成感

登山の大きな魅力として多くの方が挙げるもう一つの魅力が、登りきった時に頂上で味わえる達成感です。なかなか、このような達成感を味わえる機会は他にないと思います。確かに登山をしていると、疲れたとか辛いと思う瞬間もあります。特に、厳しい登山の場合には、頂上が遠く感じて、もう着かないのではないかと思う時もあります。しかし、一歩一歩歩を進めていくと、必ず頂上が近づいてくる、そして、頂上に立った時に感じる大きな達成感は人生にも通じるような感慨があります。登山に成功した時のこの達成感は、仕事や毎日の生活など、人生の中で、なにかのハードルにぶつかった時にも、大きな支えになる気がします。登山と同じように、目の前のやるべきことをやっていけば、きっと達成感を味わえる時が来る、というポジティブな思考を持つ助けにもなるのです。そして登山では、頂上でなければ見えない景色があります。一度この景色を見てこの達成感を味わってしまうと、大変さを分かっていても、もう一度それを味わいたくなってしまうという方が多いのです。

魅力4.人との交流

登山は、人と交流するのにも非常に面白い趣味だと言えます。まず、誰かと登山をする場合にはもちろんのこと、かなり長い時間を共に時間を過ごすことになります。ですから、山を登りながら様々な話をすることができ、その人とよく知りあうことができます。また、お互いが辛い時には、励まし合ったり、気遣い合って、登頂という一つの同じ目標に向けて努力をしていくことで、強い絆を築くこともできます。また、登山では、様々な人との出会いがあります。登山は様々なスタイルで楽しむことができるものです。ですから、同じ山を登るにしてもそのスタイルは人によって様々です。そして、山を登る人には、お互いのスタイルに対する敬意があります。その程よい距離感は、心地よいものです。
このように、登山には、他の趣味ではなかなか味わえない様々な魅力があります。その魅力は本当に深いもので、登山をすればするほど、その魅力にはまっていきます。是非興味を感じた方は一度挑戦してみていただきたいものです。